投稿日時:2015年2月11日
毎度お世話になっております。
昨年秋より大きく値下がりした鉄スクラップですが、ここにきて一段の値下げが始まっております。1月も関西地区を中心に値下がりしましたが、関東は弱含みながら大きな下げには至らず、少し期待を持たせる展開でしたが、2月入り後、特に海外市場が急落状態となり、我が国からの輸出契約がほとんど成約できない状況が続いておりました。
昨日行われた関東鉄源協同組合の輸出入札では、前月比3575円/トン値下がりの23000円/トンにて辛うじて1社5000トンの落札(通常月は2万トン)となり、最大手東京製鉄はすかさず500円/トンの値下げを発表、関東地区電炉メーカーも追従しました。
湾岸地区の輸出向け商社ヤードも軒並み値下げ及び荷受制限を行っており、当面は値下げが続く模様です。
ご存じのとおり、我が国は鉄スクラップ余剰国であり、年間600~900万トンもの鉄スクラップを輸出してバランスをとっておりますが、全体の55%以上の輸出先である韓国の購買が激減しております。また、米国の輸出価格も急落していることから、中国、台湾等も高値での契約には見向きもしなくなり、先行きには暗雲が立ち込めております。現在各商社筋は、ベトナム、タイ、インドネシア、さらにはインド方面まで販路を求めて活発に動いている模様ですが、遠方になればなるほど輸送費が嵩むため、結局は安値に収斂されていくことになりそうです。
長く御商売をされていらっしゃる方々はよくご存じと思いますが、20年以上前には鉄スクラップは非常に安く、いわゆる逆有償という、回収にあたってお客様から費用を戴かなければならない時代もありました。過去10年程は、金属バブルと呼ばれたように、スクラップは高いのが当たり前、という時代が続いておりましたが、そろそろまた金属が安い時代に入るのかもしれません。
弊社も出来るだけ下げを遅らせて頑張っておりますが、想定以上に値下がりが早いため苦戦しております。なんとか早く相場が底を打ってくれることを祈るばかりです。
一つだけ良いことがありました。ステンレススクラップも今年に入ってから10円/kgの値下げとなっておりましたが、ここにきてニッケル相場が若干値上がりしたため、一部メーカーが裏値対応で5円程度の値戻しをしました。5円なんてけち臭いこと言わないで20円位あげてくれ~と心の中で叫んでおります。