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スクラップの値段ってどう決まる?

投稿日時:2015年1月28日

毎度お世話になっております。

ホームページを作成したのはよいのですが、何を書いたら良いのかわからず、悶々としておりました(笑)。

とりあえず、一般の方にはわかりにくいかと思われるスクラップの価格形成についてお伝えしたいと思います。

 

ご存じのとおり、金属は、原油などと同じように世界中で取引されており、ロンドン、ニューヨーク、上海などの主要な商品取引所の価格をもとに地金の国際相場が形成されます。それに加えて、地域によるプレミアム加算や需給バランスを勘案して各々の取引価格が決まります。わが国では、それぞれプライスリーダーと呼ばれる大手鉱山会社(銅=JX日鉱、亜鉛=三井金属、鉛=三菱マテリアルなど)が、相場変動に応じて建値を改定し、市中の製品相場はそれに基づいて取引が行われます。

 

スクラップもこれらの建値やロンドン金属取引所などの相場を基に、精錬メーカーと納入業者間で価格の取り決めを行いますが、契約条件や期間は様々で、アルミであれば基本的に半月毎の値決め、銅であれば月間の平均値を基準と致しますが、長期とスポット、数量のボリューム等、契約内容により条件は変動致します。

 

全般的にスクラップの不足していた時代には、いわゆる直納問屋と呼ばれる大手さんが強い価格交渉力を持っていました。現在では、1)スクラップが全般的に余剰であること、2)スクラップが国際商品化したこと、3)商社の介在による流通の変化、等により小規模業者と大手の価格差は非常に小さくなりました。そのため、経費のかかる大手であるほど厳しい商売を強いられている、と言われております。

 

それでは発生元における価格はどのように決まるのでしょうか。実はスクラップ商売のコストはかなりシンプルで、輸送コストが大半を占めております。大雑把に申し上げますとスクラップの価格は ①メーカー購入値―②輸送コスト―③選別・加工コスト―④発生元からの回収コスト=発生元の売値 となりますが、例えば選別不要な上質のスクラップが大量にあれば②、③は不要となり(発生元から直接メーカーへ)発生元の売値は高くなりますし、少量であったり、回収に手間のかかるもの、選別・加工の必要なものは必然的に安くなります。ですから、1)出来るだけたくさんの量を2)きれいに選別し、3)回収しやすいように保管する 事により、より高く販売できることになります。

 

しかしながらスクラップは通常の製品と違って形状も様々であり、色々な金属の複合物であることもままありますので、発生元と引取り業者の間でよく話し合いをされ、保管場所や容器等の工夫をすることが肝要であると思われます。

 

インターネットの発達により、「高価買取」とか「業界No1の高値」(ぷぷぷっ)などという宣伝を散見しますが、実際に取引してみたら今までの業者のほうが高かった、などというケースも多々見られます。理論的にメーカーの買値を上回って買えば損をするわけですから、そんなに上手い話はない訳で、上記のコストを如何に下げるか、ということが大事だと思います。

 

ここ10年程は金属の価格が高値で安定し、金属泥棒が横行するなど、一般的にも「金属は高い」というイメージをもたれがちですが、長期的に振り返りますと、スクラップを回収するのに費用を戴く、いわゆる逆有償や、非鉄金属でも売れなくて困った時代も何度もありました。           昔は年末にスクラップを売って忘年会の費用にするとか、社長のこづかい?になったりとかいうレベルの商品だったものが、立派な商品?となったおかげで親会社から「スクラップを返せ」とか、「スクラップ控除をもっと高く見積もれ」などという圧力を受けるようになったという笑えない話もよく伺います。

 

あまりスクラップが注目を浴びすぎるのも困りものだと感じる今日この頃です。

 

 

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